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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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宗派は曹洞宗、
おねえさんは Iさん Yさん SYさん。
N区会館にて。


通夜式では一人だったお寺さんが
告別式では二人来られることになった。


告別式は滞りなく終わり、 出棺の前、
控え室にいる導師さんに声をかけにいくと
「お食事は出るんですかね」 と 尋ねられた。

お寺さんの食事について 私が何も聞いていない、 ということは
用意がない、 と思って良い。
ただ、 この導師さんの質問は
YES 以外はあり得ない、 というニュアンスがあり
質問というよりは “確認” だった。

式中、 親族の人数を数えてみて 食事が余りそうだったので
担当者O氏とIさんを探す。
ちょうど 親族の男性6名が棺を柩車に納めるところで
・・・要は スタッフが軽くばたつくタイミング。


担当者が喪主さんに確認しに行った。
そこに居合わせたYさんは
「わからなかい時は とりあえず “はい” と答えたらいいんよ」 と。


そして、 誰もが所定の車に乗り、 さあ出棺、 という時に
「一人分、 導師さんの分はOK出たから」 とIさんから聞いた。

急に喪主さんは導師さんと話しこみ始めた。
更にその後 喪主さんは建物に走って戻って行った。
出棺の時間は既に過ぎていた。
食事の件で 脇導師さんに話をしに行ったのだろうか。
この期に及んで 何してんねん、 あの喪主は・・・
担当者の顔に書いてあった。


寺院控室のお茶をさげに扉を開けると
脇導師さんは まだそこで目一杯くつろいでいらっしゃった。
そしておっしゃった。

「食事ね、 出るんだったら早く出してもらえますか。
なるべく早く戻りたいので」
※出るんだったら、 なんて言ってるけれど
出ないことなんて これっぽっちも想定していない


先述のYさんの言葉を思い出し、 はい、 と答えて
再び担当者を探してダッシュ。


「料理、 どうせ余るんやし 出したって」 と
投げやりな担当者。
そして、 田舎のお寺さんやからなー・・・ と つぶやいた。


脇導師さん、 物凄い勢いで食べられた後
そそくさとお帰りに。

-----

このお寺さん、 やや遠方から来られていた。
やや遠方・・・というのは
黒豆とか松茸とか ちょっとした料亭仕様な食材が豊富な場所ですな。

遠方・・・ええ、 遠方。
田園風景の広がる・・・というか それしかないかもしれないエリア。
おそらく 集落の全員が顔見知りで
どこで誰が何をしていたか、 なんて情報が
家と同じく ノーロックで
いつでも出入り自由なのだろう。
通夜式前も 導師さんは スタッフをつかまえては
「”アキオさん” が来られたら呼んで下さい」 と 言っていたし。
“アキオさん” は 喪主さんの伯父様で 入院中だった
そして 告別式の後 食事の用意があるのは当たり前なのだろう。


私が今まで出て来た葬儀で
仏式でお寺さんの食事が用意されていた例は 数少ない。
神式で 楽団が出動する場合は 結構な割合で食事の用意がある。

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水回りのトラブルに、 と 配管工事業者のチラシをよく見かける。
困ったら呼んで 直してもらって代金を払う。

誰かが亡くなったら 「いつもお願いしているお寺さん」 を呼んで
法名や戒名をいただき お経をあげてもらって
お布施という名の 明朗でないシステムの代金を払う。
回忌毎のお経がセットされているけれど
毎回 支払わねばならないのは何故だろう。


特に都市部では 寺院もサービス業なのだろうか。




てか、 あの喪主さん、 出棺直前に
導師さんと何を話しこんで
何をしに 建物に入っていったのだろう・・・
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非公開
職業:
献茶婦
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阪神間で動き回っています。
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