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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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ボスママから電話が鳴った。
時計を見ると 20時過ぎ。
告別式の連絡だな、 と  予想をつけながら
携帯電話の通話ボタンを押した。

告別式の仕事ではなかった。
ミーティング連絡でもなかった。


その仕事は・・・お寺の掃除。
通夜飾りをするためには
掃除から始めなければいけないお寺だという。

献茶を始めて数年、 初めての仕事。
宗派は浄土真宗、 おねえさんはNOさん。
N区会館にて。

告別式だけの参加。

故人さんは50代前半で喪主様は奥様。
「家族だけで笑って送りたいんです。」 と おっしゃった。
お二人のご結婚の時に 周囲の大反対にあったとか。
ご親族の他は 故人様のお兄様夫婦がお二人だけ。
お久しぶりです。
腰をいためてしまって 辛い状態です。


さて。

小規模な葬儀の流れができあがっているところに
この不況。
誰もが 死を避けることはできないけれど
最期の儀式である葬儀にかかる金員も
なにが無駄で なにが必要か
消費者の目が厳しい時代。


そんな中で 献茶婦の日給は 安くなっていないのですよ。
映画 「おくりびと」、
オスカー外国語作品賞、 おめでとうございます。
自称映画好きですが
業界のはしくれにいる人間ですが
この作品は まだ観ておりません。

ーーーーー

某 大手葬儀社では 納棺は『湯灌 (ゆかん)』というスタイルで行っている。

湯灌とは
故人様の体と生前の罪障をお湯で洗い清める儀式のことで
清められた故人様は 身支度を整えられてお棺に入るという流れで
執り行われる。

・・・といっても 献茶クラブ同様 “湯灌業者” なるものが存在するのだが
家族葬という言葉が一般的になって 久しい。

私が献茶の仕事を始めた頃は
大手の葬儀社は
「家族葬」は 売り上げにつながらないショボ仕事という扱いで
露骨にイヤな顔をしていた。

それがいまや 家族葬という依頼をきっちりこなさなければ
法人として数字をあげることができない状況になっている。


だけど一方で
家族葬というイメージがばらばらで

家の人も
お金をかけたくないから家族葬、 という感覚が根強く

担当者も
あれもこれも削ってするのが家族葬、 という感覚から抜けられず

少々バランスの悪い事態になっているのも現実。


結果的に
駅から近くてぇ~
築浅でぇ~
バス・トイレがセパレートでぇ~
収納たっぷりでペットも飼える
4万円台のお部屋探してるんですぅ~
・・・のような要求になってしまう。


そして担当者も
メルセデスのナビゲーションを抜くだけでなく
オーディオやエアコン、
挙句にドア1枚をも外さなければいけないような
ネガトークをしてしまう。
イマドキの軽自動車は これだけの装備があるんですよ、 という説明なら
お客様も納得するのに。


そして 困ったことに葬儀はモノではなく
家の人にとっては 準備のしにくい一発本番セレモニー。
感覚のズレがあるならば・・・あってしかりなのだから
数を見てきた葬儀社側が
納得のいくように誘導するのが筋だろう。


でもね、 本当の敵は お金を出さずに口だけ出す
無責任な親族さんだったりする。
(この話はまた)
コミックエッセイ
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【献茶婦は見た!
 お葬式の内緒ばなし】
画・構成:木月けいこ
原案:にわ晃子
出版社:新書館
税込840円
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プロフィール
HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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