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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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告別式のみ。 Aさんと。
最近 Aさんとご一緒が続いている。
宗派は初めての曹洞宗。


出棺時に茶碗を割ることがある。
以前 浄土宗で何度か遭遇したので
浄土宗の習慣なのかと思ったら
宗派ではなく 単なるローカル・ルールらしい。
ただし、 浄土真宗では
茶碗割りをやらない、 というポリシーがあるようだ。


半紙に包まれた茶碗をAさんに手渡され
「割って」と言われた。
え? 私が?
「やってみ。 霊柩車がクラクション鳴らして
動き出したら割るねん」



茶碗を割って、 と言われたら
普通 どんな割り方を思い浮かべるだろう。
私は 渾身の力を込めて下に投げつける方法しか思いつかなかった。
べったんのように。 (全国的にはメンコと呼ぶのかな)
旦那の浮気を知った奥方のように。 (なんとなくこのイメージは着物姿)

少々緊張して 茶碗を手に持ち
親族さんのマイクロバスの出発準備が整うのを待っていると
Aさんが 「そろそろ しゃがんどき」 と言う。
そか、 しゃがんで割るんだ。


ふぉぉぉぉぉ~ん
(高らかに響く霊柩車のクラクション)
がしゃん!
(低い場所から叩きつける)
・・・割れてないやん。
やっぱり高いとこから投げた方がいいんちゃうの?



「ごめんなさい、 割れてません!」
と 見送りのおじぎをしながら
隣のAさんに言うと
「ええねん、 割れんでも。
それより 拾いって」 と
転がった茶碗を指差した。


結局のところ
ひざまずいて茶碗のフチをこつん、 と叩くだけでいいそうな。
割れたかどうかなんてどっちでもよくて
粉々に砕けると 半紙で包んでいても破片が飛び散るから
「掃除が大変やし
そんなムキになって割らんでええ」 とのこと。


何度か遭遇してた割には ちっとも見ていなかったワケだ。
居合わせた社員さんには すっかりネタとなった模様。


☆茶碗割りの儀式は 割れることに意義があるわけではない
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HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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