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宗派は浄土真宗、 おねえさんはNOさん。
N区会館にて。
告別式だけの参加。
故人さんは50代前半で喪主様は奥様。
「家族だけで笑って送りたいんです。」 と おっしゃった。
お二人のご結婚の時に 周囲の大反対にあったとか。
ご親族の他は 故人様のお兄様夫婦がお二人だけ。
N区会館にて。
告別式だけの参加。
故人さんは50代前半で喪主様は奥様。
「家族だけで笑って送りたいんです。」 と おっしゃった。
お二人のご結婚の時に 周囲の大反対にあったとか。
ご親族の他は 故人様のお兄様夫婦がお二人だけ。
お子様は
二十歳と十八歳の二人兄弟。
この次男さんが
喪主様の話だと 精神年齢が5歳ほどだとのこと。
見た目ではわからなかった。
「興味本位に何かを触ってしまうかもしれません。
悪気はないので怒らないで欲しいのです。
やさしく "それは触らないでね" と 言って下さると
もうしませんから。」
穏やかな人たちだった。
次男さんは 言葉をかわすと確かに幼さを感じるけれど
行儀もいいし
長男さんも 世間一般の二十歳から見ると
ずいぶんとしっかりしているし 落ち着いている。
出棺時、 通常は霊柩車には
お棺に入った故人様と お位牌を持った喪主様が乗られることが多い。
遺影を抱えた方が同乗されることもある。
この日は 喪主様と息子さん二人が乗ることになった。
次男さんは 大きな米国車に乗れる、 と
とても嬉しそうにしていらした。
そして喪主様から
会館を出たら できるだけゆっくり
可能ならば遠回りをして 斎場へ向かって欲しい、 という
リクエストが。
なにもなければ ほんの10分ほどの道程なのだが。
ーーーーー
告別式の前に 故人様の思い出を綴ったDVDが流された。
そこには
お父さんにじゃれついた兄弟の写真が何枚も。
それを素敵な風景だと感じて
シャッターを押していたのはお母さん。
どれを見ても 金太郎飴のように幸せ色しか出てこない。
この家族が裂かれるのは さぞ寂しいことだと思うのだが
みんな 穏やかに笑顔を見せていた。
最後に 棺にお花を入れて お別れをするときも
「天国に行くお父さんに お花を入れてあげようね」
「お父さん、 お花にかこまれて 綺麗ね」
「みんなで仲良くするからね、 バイバイ」と
誰も 悲しみを見せない。
「笑って送りたい」 というのは
次男さんを気遣ってのことだと
誰もが気付いていた。
そして 「笑っていてくださいね」 という言葉は
スタッフ全員にも 言われていたことだったが
私には その心遣いもご家族の笑顔も辛くて
何度か 下を向いてしまった。
ーーーーー
出棺の後、 私たちは式場を片付けて掃除をする。
この日は 先述のように
斎場からのお帰りがゆっくりなので
控室の一部も 掃除をすることにした。
控室の玄関に
一日のタイムスケジュールなどを
書き込むための ホワイトボードがある。
そこをふと見ると
何やら絵があった。
次男さんが描いたものだ。
長い車の窓から 人の顔が出ている。
各顔に 矢印がついていて それが誰なのか
注釈がついていた。
おかあさん、 おにいちゃん、 ぼく、 おとうさん。
「おとうさん」 だけ 車の後部で寝ている・・・
あぁ、 これは・・・
四人家族の 最後のドライブなのだ。
何故 家族だけなのか
何故 笑って送りたいのか
何故 斎場へゆっくり向ってほしいのか
この絵は すべてをあらわしていた。
この故人様の一生は とても幸せだったのだろう。
その幸せから 一抜けしなければならなかったことこそが
故人様の 一番の不幸だったのだろう。
何もかも終わり 皆様がお帰りになった後も
私はこの絵を消す気になれなかった。
二十歳と十八歳の二人兄弟。
この次男さんが
喪主様の話だと 精神年齢が5歳ほどだとのこと。
見た目ではわからなかった。
「興味本位に何かを触ってしまうかもしれません。
悪気はないので怒らないで欲しいのです。
やさしく "それは触らないでね" と 言って下さると
もうしませんから。」
穏やかな人たちだった。
次男さんは 言葉をかわすと確かに幼さを感じるけれど
行儀もいいし
長男さんも 世間一般の二十歳から見ると
ずいぶんとしっかりしているし 落ち着いている。
出棺時、 通常は霊柩車には
お棺に入った故人様と お位牌を持った喪主様が乗られることが多い。
遺影を抱えた方が同乗されることもある。
この日は 喪主様と息子さん二人が乗ることになった。
次男さんは 大きな米国車に乗れる、 と
とても嬉しそうにしていらした。
そして喪主様から
会館を出たら できるだけゆっくり
可能ならば遠回りをして 斎場へ向かって欲しい、 という
リクエストが。
なにもなければ ほんの10分ほどの道程なのだが。
ーーーーー
告別式の前に 故人様の思い出を綴ったDVDが流された。
そこには
お父さんにじゃれついた兄弟の写真が何枚も。
それを素敵な風景だと感じて
シャッターを押していたのはお母さん。
どれを見ても 金太郎飴のように幸せ色しか出てこない。
この家族が裂かれるのは さぞ寂しいことだと思うのだが
みんな 穏やかに笑顔を見せていた。
最後に 棺にお花を入れて お別れをするときも
「天国に行くお父さんに お花を入れてあげようね」
「お父さん、 お花にかこまれて 綺麗ね」
「みんなで仲良くするからね、 バイバイ」と
誰も 悲しみを見せない。
「笑って送りたい」 というのは
次男さんを気遣ってのことだと
誰もが気付いていた。
そして 「笑っていてくださいね」 という言葉は
スタッフ全員にも 言われていたことだったが
私には その心遣いもご家族の笑顔も辛くて
何度か 下を向いてしまった。
ーーーーー
出棺の後、 私たちは式場を片付けて掃除をする。
この日は 先述のように
斎場からのお帰りがゆっくりなので
控室の一部も 掃除をすることにした。
控室の玄関に
一日のタイムスケジュールなどを
書き込むための ホワイトボードがある。
そこをふと見ると
何やら絵があった。
次男さんが描いたものだ。
長い車の窓から 人の顔が出ている。
各顔に 矢印がついていて それが誰なのか
注釈がついていた。
おかあさん、 おにいちゃん、 ぼく、 おとうさん。
「おとうさん」 だけ 車の後部で寝ている・・・
あぁ、 これは・・・
四人家族の 最後のドライブなのだ。
何故 家族だけなのか
何故 笑って送りたいのか
何故 斎場へゆっくり向ってほしいのか
この絵は すべてをあらわしていた。
この故人様の一生は とても幸せだったのだろう。
その幸せから 一抜けしなければならなかったことこそが
故人様の 一番の不幸だったのだろう。
何もかも終わり 皆様がお帰りになった後も
私はこの絵を消す気になれなかった。
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HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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良い告別式ですね。
もっともっといろんな思いがあふれてくるのでしょうね。
客観的に良い式ほど
仕事として辛いという 不思議なパラドックスが存在します。
悲しいようで、心温まる体験でしたね....
50台前半とは...早すぎますよね。
死は平等とはいえ 時期の早い遅いは神のみぞ知る。
神すら関与しない
自然の営みのひとつかもしれませんが
その時に最期を迎える理由や
今 生かされている意味を考えてしまいます。