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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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宗派は臨済宗
おねえさんは YさんとMさん。


その日 空回りしていたのは 私だけじゃなかったのかもしれない。
私が出たのは10:30始まりの告別式で 献茶は3人。
12:30 始まり、 献茶3人の式も控えていて
更に 安置室にも仏様が一体。
安置室では ご遺族がずっと付き添っていらした。
更に 私が出た臨済宗の式は お寺さんが3人、
うち一人は 初七日まで会館に残る予定。
会館の人口密度は とてもとても高かった。
会館での葬儀の流れは
通夜 → 通夜振舞い →
告別式 → 火葬 → 会館に戻って会食 → 骨上げ → (会館に戻って初七日)
・・・決まりではないが 合理的 かつ
葬儀社にとって経済効果が高いのはこのパターンで
おそらく一般的なものであろう、 関西では。


料理は二度。
通夜振舞いと 火葬から骨上げまでの会食と。
後者の会食は
精進落し、 精進あげ、 仕上げ、 忌中払い等 呼び方がいくつもあるのだが、
肉や魚が遠慮なく入っていて
(私の経験では 寺葬以外では100%)
いまや 宗教儀式の一環としての意味合いよりも
たまの機会の親族食事会という趣が強いので
あえて 「会食」 と呼ぶ。
あ、 通夜振舞いで ナマグサてんこもりも一般的ですわよ
地方から来られた親族さんが時々 「なんて非常識な料理!」 と 目をむくけど

献茶婦として仕事をし始めたことを、 数人の友人に報告した。
ほとんどは
「へぇー、 そんな仕事があるんや」 の へぇパターンと
「面白そう」 の 興味津々型の二種類に分かれた。


ある友人には電話で報告した。
いきなり “献茶婦” なんて言っても知るわけがないので
ひとまず “通夜・告別式の手伝い” と表現するのが常だった。
彼女の第一声は
「えーっ、 縁起わるぅー」

関西人特有の毒突っ込みかと思っていたのだが
「早くやめたら?」 という言葉で
本気でそう言っているのが 伝わってきた・・・痛い程確実に。


その電話で 彼女は妊娠中であることを私に報告した。
んま、 いいタイミングではないな、 確かに。


私自身は 縁起云々について 何とも思っていないから
それを仕事にしている。
彼女は元々フリーメイソンの謎やサイババ、 四柱推命・・・と
少々ムーな人だったのも事実。



あの時 彼女のお腹にいたベイビーはもう生まれているはず。
お祝いもしたいけれど 私は 「縁起の悪い仕事」 を辞めていない。
私の気持ちは受入れてもらえないだろう と思うと
電話1本、 メール1通入れることすら躊躇われる。
新しい命と共に 楽しく過ごしていればいいな。


<< 追記 >>

このことがあって以来
仕事の内容を言う相手を選ぶようになった。

「何の仕事してるの?」 と 聞かれたら
「うふふ、 日雇い」
ちっとも答えになっていないのだけど
納得しないまま 皆様 「ふぅーん・・・」 と言ってくれる。
日本の昔話。
ご馳走の席に呼ばれたものの 作法を知らない村人達は
長者の真似をして食事をしよう、 ということに。
食事中、 芋の煮っころがしを上手につかめず ころりと転がしてしまった長者を真似て
村人全員が いっせいに芋を転がした、 という物語。

通夜や告別式が始まる前、
「あのー、 焼香は何回やればいいんですか」 と
不安げに こそっと尋ねてくる方は結構いる。





献茶クラブで人数が賄えない場合、 他の献茶クラブから献茶婦を借りる。
これがヘルプ。
ヘルプに行ったら 「ヘルプでーす」 なんて顔はせずに、
というのが建前なのだが まぁ バレバレである。
そこをあえて突っ込まないのは大人のルール。


先日 初めてヘルプに行った。
当然 献茶クラブも葬儀社も初めてのところ。
ボスママは よほど気分の悪い思い出があるのか
「あれこれ聞かれても うちの話はせんとってね」 と
ことある毎に釘をさす。
私は人の噂話にはノリが悪く、 適当にかわせるだろう、 とタカをくくっていた。
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【献茶婦は見た!
 お葬式の内緒ばなし】
画・構成:木月けいこ
原案:にわ晃子
出版社:新書館
税込840円
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プロフィール
HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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