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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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車で約30分の近郊・・・山を越えるので近いながらも馴染みは薄いエリア。
公民館での告別式。
宗派は浄土真宗。

この地域は 今は新興住宅地として名が売れているが
その昔は 単なる片田舎でしかなかった。
そして その町は元々片田舎地域で
告別式も 伝統的に町会が仕切る方式だった。

献茶婦は私を含めて3人。
お姉さんは頭のWさんとYさん。
私たちが雑事を始めて程なく
近所の奥さん連中が 三々五々に集まってきた。

郷に入っては郷に従え。

奥さん連中は 主に炊事担当である。
「ええよ、 そこは私らがするから」 と言われたら
それ以上でしゃばってはいけない。
それでも 発言権のある誰かが
「まぁええやん、 折角来てくれてはるんやし 甘えようよ」 と言えば
そこは 抜かりなくちゃーんんとやらなくてはならない。
お姉さんは誰なのか聞かされていなかった。
会場に入るとおかあさん=ボスがいた。
本格的なトレーニング・デイというわけだ。
昨夜に引き続く告別式。
朝から結構な雨。
お姉さんは昨夜と同じくMさん。


僧侶は昨夜の方とは違う人。
やはり歌うような読経だったけれど
何とも感じず。
この辺 やはりセンスなのだろうなあ。
宗派は浄土真宗。
今までも浄土真宗の式は何度も出ているのだけど
読経をしている間は裏方仕事をしていることが多く
まともに読経を聞いたのは 初めてじゃないだろうか。

あのね、 まるで交響曲。
最初、 このコード進行は「君が代」?と度肝を抜かれていたら
ドボルザーク「新世界より」、 「さくらさくら」、
「夕焼け小焼けで日が暮れて」、 「荒城の月」・・・
凛と緊張感のある声で 聴き応えがあった。


読経が終わり 法話が始まる。
胸に染み入る話で ついついほろりときてしまった。
ふと Mさんを見ると 彼女もうるっとキた模様。

法話の中で
「散る桜 残る桜も 散る桜」
・・・という話が。
「自分が今生かされている意味」なんぞを考えていた十年前、
この話を聞いていたら 少しは楽になったのかも。

この方、 ファンになりそうだわ。
明日の告別式でも来られるかしら?


☆現場の必需品・・・画鋲(受付台や焼香台に幕を張るため)
幕の張り方を指導してもらった。
新聞折込の求人チラシでこの仕事は見つけた。
面接はあったのだが 採用・不採用をふるいにかける為の面接ではなく
顔合わせの意味合いが強く、
「とにかくやってみ」 と言われ、
初仕事は面接の翌日だった。

事前研修もなく ぶっつけ本番。
頭で覚えるより慣れろ、 体で覚えろ、 なノリ。

なので 何の前フリもなく 専門用語でモノを言われる。
これがわからんのだな。

「お姉さんに先生が来られたって言ってきて」 と言われ
お姉さんって誰やねん?と固まったり

「お母さんの家の近く?」 と聞かれて
「実家、 近いですよ」 と 答えて 場を沈黙させたり。




今の段階で理解できる専門用語を羅列。


お母さん・・・献茶婦クラブの親方=経営者
お姉さん・・・諸先輩
△この辺り お茶屋・女中世界と共通

店・・・葬儀屋さん
先生・・・僧侶、 牧師を直接呼ぶ時の呼称。
裏方では宗派にかかわらず「お寺さん」と呼んでいる。
当日・・・告別式←長らく不明だった
現場・・・葬儀専用の会場でなく 自宅や公民館など
コミックエッセイ
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【献茶婦は見た!
 お葬式の内緒ばなし】
画・構成:木月けいこ
原案:にわ晃子
出版社:新書館
税込840円
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プロフィール
HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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