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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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遺言というのは、
財産処理に関しては、 法的にはいろんな決まりごとがあるけれど、
故人の意思という意味では かなり幅広い範囲をさす。

例えば
「連帯保証人になったらあかん」 とか
「メシはよう噛んで食え」 という
生きていく上での指南を
遺言としてとらえられることもある。

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H区ホールにて。
おねえさんはYさん。 浄土真宗。


その日の故人さまは 家の人たちから
『ばーさん』と呼ばれていた。

なんでも、 その『ばーさん』の遺言というのが

「私の通夜で、 ええもん食べたらあかんで。
のり弁にするんやで、 ええか」

・・・というものだったそうな。
日本のお葬儀でもバリエーションは果てしないので
韓国式、 とひとくくりにするのは無理なのだけど。

韓国にも 『南無阿弥陀仏』という念仏があるそうで、
浄土宗・浄土真宗で葬儀をなさる方が多い。


特徴的なのは、 出棺の際、
柩車に棺を納めてから
ゴザのようなものを地面に敷いて行われる儀式。


この儀式は 何通りかあるらしいのだが
いずれにしても 大切な人を失った悲しみが
ひしひしと伝わってくるものだった。


ーーーーー


儀式ではないけれど、
印象的なのは
彼らの用意する料理の数々と家族のあり方。
偏見かもしれないけれど、
親族間ではハングル語を話すような
アイデンティティの明確なお家の方が
このような傾向が強いように感じる。



まず料理。
通夜振る舞い、 精進落としの料理とは別に用意されるもので
お棺の前にも 一通り並べられることが多い。
(通夜式・告別式では下げられる)

当然 韓国料理なわけで。

お葬儀の定番料理なのか、
それに関係ない定番なのかは不明。

キムチなど、 全体が赤っぽい料理は苦手なのだけど
それ以外は とにかく美味しそう。
蒸し豚などの肉類もあるにはあるけれど
ほとんどが 野菜。
食文化については、 日本料理と韓国料理は
隣国とは思えない。
ある葬儀社の施行担当者の話。


かかってきた電話に応答すると
「主人が・・・主人が・・・」 と
声を震わせたご婦人が。

根気よく話を聞くと
御主人が入院していた病院から電話があったので
今から 出向く、 という趣旨。

「もうどうしていいか・・・」 と
ご婦人は言葉がつながらないながらも
御主人を そのまま葬儀会館にお連れすることになり、
その担当者A氏は
彼らには馴染みの病院に向かった。
葬儀は通常 通夜と告別式とセット。
夜と昼。
なので タイミングによっては
告別式が終わった後
別の通夜の仕事へ、 という組合せが。

これが "どんでん"。


それは 献茶スタッフやあんこさんも。
葬儀社スタッフも。
会館の式場も。


今回は式場のことを。


ひとくちに会館、 といっても
大規模に対応可能な式場もあれば
小規模を想定した造りのものもあり。


最近の傾向では やはり
小規模式場の方が需要が高く、
同じ会館の中でも
大きな式場が空いたまま
小さな式場だけが "どんでん" を繰り返す、 という事態も多々。


これね、 関係者一同がバタバタしちゃうのよ。
久石譲氏の作品。
サントリー伊右衛門のCMで使われていますね。

美しいピアノの旋律には弱いです。
この演奏より好きなバージョンがあるのですが、
見つからなかったです・・・

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画・構成:木月けいこ
原案:にわ晃子
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プロフィール
HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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