忍者ブログ
献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

桜の花びらが舞い落ちる夜、少年は天に召された。

寿命は10年くらいと言われていたから
それからの時間はラッキーやねん、と
本人が言ったと 人伝に聞いたことがある。

思い通りにならないことも多かったかもしれない。
それでも
誰よりも誰よりも 過ぎ行く時間を大切にしていただろう。

彼が大切にしてきた17年の思い出を
彼の周りの人は これから先もずっと大切にする。

ーーーーー
何年も 死というものに関わってきたけれど
近しい人の死は 同じではない。

うまく言葉を紡げない。
ひたすら 彼が安らかであることと
残された人たちに救われる日が来ることを願う。
大阪・本町の北御堂には 定期的に
ワンフレーズ法話とも言えるお言葉が掲示される。

掲示板のようなものがあるお寺では
時々見かける類のもの。

今 掲示されている言葉は

生きてよし
死んでよし

南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏

生を受けたから 死がある。
こんな当たり前のことなのに。

短い言葉の捉え方はいろいろある。

何かに直面したとき

生きてよし
死んでよし

これほど心強い言葉はないだろう。

即身成仏を唱える教えはいくつかの派があるけれど
自殺・自死を否定しない宗教は私の知る限り浄土真宗だけ。
(実際には他にもあるだろうけれど 知らないだけ。
 そして私は浄土真宗に身を委ねていない。)

自死に関わるとき
残された人の苦悩がとても苦しくて。

死ぬことを選んだ故人さまの選択が
正解かどうかはわからなくても
そういう道もあったんだよ、と 伝えることができたら。

私自身は 自死について思うとき、
残された人のことが気にかかる。
残された人が 救われてほしい。

死を選んだご本人は それによって
きっと何かが救われるのだろうから。
→Pia-no-jaC← (ピアノジャック) の曲では
【花火】という
夏の残像とともに楽しみたい曲もあるものの
葬送曲として希望するなら【夜桜】。

はらはらと舞い落ちる桜の花びらが
音で表現されている様は感動。

命は舞い落ちるのか 舞い上がるのか
もえつきるのか 朽ち果てるのか
想像以上の経験はできないけれど
この旋律とともに現世を去ることは
とても美しい幕引きのように思う。

出棺の葬送曲というよりは
この曲を聴きながら 静かに息をひきとりたい。

・・・と家族に伝え いずれ来るその時、
「そろそろやで、ほらあの曲!」と
周りがばたばたしてくれると
幸せすぎて 死にたくなくなるだろうなあ。



この曲が出た当時は
彼らはPVを作る環境にはない時期だったのだろう、
観客の誰かが録画した動画ばかり。

今も 【夜桜】についてはCD以外では
きちんとした音源の動画は見当たらず。
動画タイトルは【金環日食】だけど
BGMが【夜桜】なので念のため。
葬儀業界で活躍する女性も多いのだが、
力仕事も多いので 葬儀社スタッフは男性の割合が多い。

対し、献茶婦は完全に女性集団。

先日「セクハラってあるの?」と聞かれた。

あるのかないのか、というと
ある。
と答えるしかない。

葬儀業界にある、というよりは
個人の良識レベルで行き届かない人がいる、という感じ。
【献茶婦は見た!お葬式の内緒ばなし】が出版されて約半年。
「読んだよ」の声は一番嬉しい。

これさえ読めば 葬儀における献茶係の仕事は
ざっくりとわかっていただけるかという目論見が
少なからずあったのは本当。

「献茶婦という仕事があることを知らなかった」
という声を
葬儀業界以外はそうだろうな、と
ふんふん聞いていたら

同じ葬儀業界でも
関西以外では「献茶婦ってなにする人?」と
全く通じておらず
献茶婦が いかにローカル限定で
貴重な絶滅危惧種であるかを実感した次第。

絶滅危惧種、と表現したのは
現在 献茶クラブそのものの存続が危ういから。

この辺 献茶クラブがどういうものか、から説明したほうがよいのかも。


コミックエッセイ
発売中
【献茶婦は見た!
 お葬式の内緒ばなし】
画・構成:木月けいこ
原案:にわ晃子
出版社:新書館
税込840円
ブックマーク
ブログ内検索
PR
プロフィール
HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
メールフォーム
Twitter

忍者ブログ[PR]