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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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先日 高齢の祖母が逝ってしまった。
認知症の世界にいって10余年。
寝たきりになって 2年弱。
彼女の保護者であった私が喪主を務めるのは
自然な流れ。

家族葬だし、勝手知ったる式場だし
献茶婦は頼まなくても私一人で大丈夫でしょ…と判断し
喪主兼献茶婦という立場に。
もちろん初めてのこと。

通夜開始は夜7時、告別式は翌朝9時から、と
葬儀社担当者とスケジュールを決定。

火葬場の予約時間に合わせる告別式と違って
通夜は文字通り夜通し行うもので、
お寺さんがお経をあげる時間は
関係者が集まりやすい時間を自由に設定することができる。
仕事を終えた人が来られるように
夜6時から7時の通夜式が 関西では一般的。

墓が遠方にある都合で
お寺さんは 菩提寺ではないものの
盆時期に毎年来ていただいている方。
親族より連絡した上記スケジュールは
快く承諾いただいた。

…なのに、
18時50分になっても お寺さんが来られない。

何故?

あとのスケジュールがないとはいえ 落ち着かない。
とりあえず 祭壇前を整えてみたりして。

その日、十日戎のために あちこちで通行止めや渋滞が。
「えべっさん渋滞に巻き込まれはったのかなあ」と
誰とはなく不安げ。

30分が過ぎ連絡も取れず。

「待ってても仕方ないから私がお経あげるわ」と
親族Aが祭壇前へ。
Aのお経にあわせ焼香を済ませ 即席通夜式。
その後 全員が もやっとした面持ちのまま
式場の棺周りに残り雑談。

20時に近付き
一旦 控え室に戻ろうとした時にお寺さん登場。

聞くと時間の錯誤。
「しちじ」と「はちじ」...うん、あり得る。
とにかく始めていただくことに。

お寺さんは 手際よく祭壇前を整え お経スタート。
聞き応えがある良いお声で お経はたっぷり 丁寧に。

しかしながら1.8倍速くらいのテンポ。
木魚のエイトビートも心なしか激しい。
…何か慌ててますか?という感じの速度。
親族のひとりは
あれは時間の錯誤でなく
時間を読み違えて慌てた説を主張。


喪主としての私は 来られたので一安心。
家族葬だし 会葬の方々にご迷惑をかけたわけではないし。

ーーーーー

お寺さんのお経は
親族Aが詠んだものとは全く違うものだった。

修行僧じゃないのだし お経が違うことなんていい。

祖母とソリの合わず 断絶状態だったAが
アクシデントとはいえ祖母のためにお経を詠んだことに
私のムネが熱くなったのを ここでこっそり告白。

後々の 「今だから言える突っ込みネタ」として
あたためておくつもりではいるけれど、ね。
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原案:にわ晃子
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プロフィール
HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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