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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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私には
特別養護老人ホームで暮らしている
大正生まれの祖母がいる。


身元引受人は私。



認知症が一気にすすんで入院したのが
確か 6年前の夏。


半年後に退院した時、
彼女の余生を 心地よく過ごして欲しいとだけ願った。


それ以来 グループホーム→現在の特養、 と
彼女の状態では 快適に過ごせる場で生活している。

ーーーーー


ええ、 とても快適。


食事も 空調も お風呂もトイレも寝るところも。
昼間は 入所者がみんないるラウンジにいるので
孤独にもならない。


祖母が暮らす特養の母体は病院で
熱が出たり 異変があると
すぐさま診察と適切な処置と薬の処方を受ける。
そして すぐに報告の電話が入る。


快適なはずなのに
見舞に行くと
彼女はいつも うつむいている。
もう言葉を発することも 少なくなった。


私は いつも思う。

彼女が死ぬきっかけを奪ってしまった、 と。



祖母は元気な頃、 ぽっくり詣りに行っていた。
うつむいた横顔を見ると
私が思う快適さが 彼女を苦しめている気になる。


彼女の幸せがどこにあるのか
私には もうわからない。


命を全うすることは とても尊いこと・・・
だけど 祖母にまつわる思いは
いつも複雑で どこか同じところを回っている。
美しいはずの命が
私には悲しくて仕方がない。




医療が発達するのはいい。
高齢な方々が元気なのはいい。
だけど 人間だって自然界の生き物だから
いつか必ず死ぬ。


私は家族に言っている。

あちこちにAEDが設置されているけれど
私には あれを使わないで欲しい、 と。

もし医療事故らしきものが私の身に起こっても
騒がないで欲しい、 と。

明らかにガン家系なので
いつかどこかに発生するだろう。
ちょっと切ったらどうにかなるレベルならともかく
そうでなければ
私は治療を受けるつもりはない、 と。


命を粗末にすることとは 遠い思考のつもり。
違う次元のつもりだけど
このあたりも 実は自信がない。
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命の尊厳と次元の遠い話なら
医療が発達するのは
確かに良い・・・のだろう。うん、きっと良いのだ。

でも、でも・・・
無理やり助けられる、
無理やり生まれさせる
・・・ってのには個人的には抵抗感が強いのだな。

ちーさん 2009/08/29(Sat)12:13:50 編集
Re:命の尊厳と次元の遠い話なら
おそらく似た視点なのだろうと想像しています。

医療の発達によって
命の可能性というか範囲というか・・・
かつては 諦めざるを得なかった事象について
希望が大きくなっています。

このあたり、
私の意図とは関係なく
一定の立場の方々には暴言となってしまいますね。

一生懸命生きている命は 常に尊いとは思っています。
【2009/08/30 09:28】
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