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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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ボスママから電話が鳴った。
時計を見ると 20時過ぎ。
告別式の連絡だな、 と  予想をつけながら
携帯電話の通話ボタンを押した。

告別式の仕事ではなかった。
ミーティング連絡でもなかった。


その仕事は・・・お寺の掃除。
通夜飾りをするためには
掃除から始めなければいけないお寺だという。

献茶を始めて数年、 初めての仕事。

ーーーーー

葬儀社に集合して 現場となるお寺へ向かう。

「  本堂以外 使ってはらへんからな 」

葬儀式場として使用されるのをいやがるお寺は多い。
そりゃ 葬儀会館だと
お寺さんは行って お経をあげて 帰るだけだもの。


着いてみると 広大な庭に 草ぼーぼー。
そろって膝上クラス。
確かにこれじゃ 外テントも張れやしない。


私たちが到着した時、挨拶に出てこられたのは
年老いたご婦人と50代後半と思しき住職。

物腰が柔らかだけど押しが強い
・・・というのが今まで見てきた中で作り上げられた
お寺の奥様のイメージで
こんな時だいたい 住職より先に挨拶に出てこられて
ここをどう使って、 あれはどこにある、 と指示なさるのだけど
そういう方は いらっしゃらない。


先述のご婦人は おそらく住職のお母様で
以前は 私のイメージ通りだったかもしれないけれど
今はもう 挨拶だけでせいいっぱいといった風。


掃除部隊が必要な理由に納得。
この二人じゃ この広大な庭を維持するのは無理だし
お寺を式場に使われるのに 対応しきれない。


草の高さが 一様だということは
その時期に 庭師さんが入ったか
葬儀のために 草を刈ったか。


本堂は 普段から使ってらっしゃるので
それほどでもなかったけれど
普段 使われていない部分は
建具が新しいまま ほこりっぽくなっていた。

男女用別に 数器ずつあるトイレは
水が枯れた状態になっていた。
震災後に建物を建て替えた模様・・・とても立派な建物



コンカツ、 という言葉ができたのは最近だけど
お寺さんのコンカツ、 難しいと思う。


普通の感覚で お寺さんに嫁入りするのは
現代の女性には とても勇気がいるもの。

そして あのお母様に 介護が必要な状況になった時
大変な状況になるなぁ、 と
芝刈り機の刃に当たらなかった草を引き抜きながら
お寺さんのコンカツと
高齢化社会を思っていた。



その日、 掃除と称してやった仕事の8割は草むしり。
こんな仕事の時は ジャージ着たいわ!

パンプスで草むしりってあーた・・・何かの罰ゲームかと。
暑いのは平気だけどね
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プロフィール
HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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