ヘルプ

献茶クラブで人数が賄えない場合､ 他の献茶クラブから献茶婦を借りる｡
これがヘルプ｡
ヘルプに行ったら ｢ヘルプでーす｣ なんて顔はせずに､
というのが建前なのだが まぁ バレバレである｡
そこをあえて突っ込まないのは大人のルール｡


先日 初めてヘルプに行った｡
当然 献茶クラブも葬儀社も初めてのところ｡
ボスママは よほど気分の悪い思い出があるのか
｢あれこれ聞かれても うちの話はせんとってね｣ と
ことある毎に釘をさす｡
私は人の噂話にはノリが悪く､ 適当にかわせるだろう､ とタカをくくっていた｡

いつもは行かないエリアで自宅現場｡
宗派は真言宗｡


ヘルプに行って 意地悪されたという話をよく聞くのだが
私は当たりがいいのか
とても優しい方：SKさんと一緒だった｡
簡単な自己紹介の他は 無駄話も出ず､
仕事上必要な会話は丁寧に､ という理想的な形で
通夜準備は進んでいた｡
当然 誰かの噂話も 妙な探りもなし｡

あぁ ヘルプに来て不要なストレスがないなんて 嬉しい限りだわ､
日頃の行いがいいからかしら､ と 微笑んでいたら･･･


それまでばたばたしていた担当者が登場｡
担当者が近付いて来るのを見て
SKさんが こそっと早口に言った｡
｢いろんなコト聞かれても 答えなくていいからね｣



自分 (関西では二人称を指す)､ ヘルプやろ｡
どこのクラブから来たん？
･･･あ､ 言わへんつもりやな｡ じゃ どこに住んでるん｡
献茶始めてどのくらいや？
こっちのクラブはおばはんばっかりやろ｡
何歳やねん､ 結婚しとんの､ 献茶の前は何の仕事････




うるさぁぁぁぁい！


とは言えないので･･･いや､ 書いていて
言ってもよかったかもしれない気分なのだけど
どの質問も あのその あのその､ と口ごもり
｢あ､ 失礼｡ SKさぁぁぁん､ あのぉ､ ちょっとлёЩⅶ㊦｣ ･･･と 走って逃げた私｡


この担当者､ 告別式当日には うちの献茶クラブを探り当て､
またもや私は意味不明語を発しながら逃げる羽目に｡



おばはん気質なオジサンってイヤ｡