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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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家族が亡くなった時、
誰に連絡するかというのはとても大きな問題。

患いが長い場合などは、
ある程度整理する時間もあるけれど
そうではない事も多い。

某おねえさんに聞いた話。


あるお家でのこと。
一人暮らしをしていたお父様が、
元気だと思っていたのに
頭が痛いと訴えてから すぐに亡くなられてしまった。


喪主様は、 お父様の交友関係などを知らず、
住所録や電話帳の類も見当たらなかったので
住まいに残されていた名刺などを頼りに
ばたばたの合間、
何軒かに連絡を入れたという。


通夜の前、
会館で喪主さまが施行担当者と打ち合わせをしている時、
一人の男性が 血相を変えて部屋に飛び込んできた。

50代と思しきスーツ姿の男性は
わなわなと震えながら取り乱しており、
喪主様を確認すると その場に土下座し
大声で謝罪しながら 泣き崩れてしまった。

一同 唖然・・・わけがわからない。


興奮状態の男性の話をよく聞くと、
数日前、 故人さまが頭が痛いとおっしゃる前日、
その男性は 車を運転中、
自転車に乗る故人さまと接触事故を起こしたとのこと。

男性は 救急と警察の手配をしようとしたが、
故人さまが なんともないから、 と断ったらしい。
後で 体調が悪くなったり何かあったら連絡下さいね、 と
男性が渡した名刺が
喪主さまが連絡した先の一軒・・・


喪主さまは 事故の件はまったく知らされておらず、
となると 発端の頭痛も
事故が原因の可能性が出てくるわけで。


警察に連絡すると 要解剖、 ということに。


ーーーーー


「ええっ? だけどその日通夜だったんでしょ?」

ここまで聞いて 思わずそう言った私。


結局 通夜・告別式とも
故人さま不在の状態で決行したそうな。


ーーーーー


後日談。

解剖の結果、 故人さまの死と事故は
因果関係がみられなかったとのこと。


個人的に この結末には なんだかほっとしました。
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プロフィール
HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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