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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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大昔から
人が亡くなると 棺に副葬品を入れていた。
ピラミッドで発見されたものや
兵馬俑、 はにわも副葬品。

内容はさまざま、
趣旨も一種類ではないだろうけれど
副葬品、 というくくりでは同じとみていい。




今も
棺には 故人さまにちなんだあれこれを
副葬品として入れることができる。


入れるタイミングは 出棺前、
故人さまとの 最後のお別れをする時。
花と一緒に ご親族みなさまの手で。

故人さまが愛用していたものや
故人さまのお好きだったものが一般的。

・・・なのだが
現代の日本では 火葬が義務付けられており
棺は 斎場で必ず火葬される。

よって、 燃えないモノは入れてはいけない。



貴金属やプラスチック、 陶器などの焼き物はNG。
でも
硬貨を入れて火葬する地方があると最近 知った。
へぇー。



例えば、
眼鏡をかけた顔が その人の顔になっていた場合、
入れたいと希望されることが多いのだけど だめ。
入れ歯や義手・義足も同じ。


あと、 お酒が好きだった故人さまのために
「紙パックのお酒なら」 と 持ってこられるのだけど
紙パックは 高温下で爆発するので
『末期の水(まつごのみず)』という儀式(?)として
故人さまのお口に お酒の雫を含ませるというやり方で。



斎場の窯も、 清掃して下さる方がいるわけで、
そこに プラスチックが溶けてへばりついたり
何かが爆発して こげついたり、 ということを
想像していただけると わかりやすいのでは。

ただしこれは、
大切な人をなくしたばかりのご遺族に
この通り伝えると
「窯の掃除が大変だから あかんねんて」 となってしまう。
難しい・・・




ーーーーー

少し前、
某おねえさんのおばあさまが亡くなった。


棺の中のおばあさまの横には
彼女が大事にしていたセルロイドのフランス人形が。

おねえさんは 即座にそれを取り出し
それは入れてはいけないものだ、 と
喪主である お母様に伝えたという。


なのに、
式が終わって お骨あげに行くと
その セルロイドの残骸があったそうな。


「あかんって言ったのに こそっと入れたのねー!」 と
お骨を拾いながら
物凄い剣幕で怒ってしまったらしい。


ーーーーー

棺の中に入れるものは、
燃えるものなら いい。
担当者が チェックできるように
棺に納めたいものがあれば 先に預かるようにしている。



その日の喪主さまは 故人さまの奥様。
故人さまが綴った写経と
いつもかぶっていたという帽子を預かっていた。


最後のお別れで 先述の副葬品もおさめられ、
ご親族さまが悲しみにくれる中、
喪主さまが 1枚の紙のようなものを
そっと棺の中にお入れになった。

それを見て、 娘さんが
「それ、 あかんて!」 と 叫んだ。



それは、 1枚の写真。
故人さまが 家族に囲まれている。
奥様、 子どもたち 孫たち・・・


生きている人の写っている写真は
こうして時々 紛争になる。

話し合って下さい。
できれば 式の前に。
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非公開
職業:
献茶婦
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