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献茶婦とは葬儀・法事等を手伝う専門職です
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海外に行くと チップの習慣のない日本人は戸惑うことが多い
・・・というけれど


結構な頻度で そーいうモノを渡されそうになる。


通夜前、 初めて喪家さんに挨拶をする時、
告別式当日、 朝の挨拶をした時、
あるいは 何もかもが終わった頃、 というのが
遭遇率の高いシーン。


ーーーーー


通夜前、 告別式当日の朝、 というのは
いわゆる"心付け" に該当する性質のもので
「よろしぅお願い」 という意味合い。


告別式当日の朝は
「昨日気付けばよかったんやけど・・・」 という文言が付く場合も多い。

温泉旅館の仲居さんに渡すのと 感覚としては同じかと。

なのだけど・・・
私たちが喪家さんと会う前には必ず
施行担当者が 料金の見積もりや概算を出しているはずで。

このタイミングで心付けを出してくる大半が
見積もり料金の中に
献茶スタッフの人件費が含まれているという認識がなく、
何もかも終わって落ち着いて 明細書を見た時、

なんやこれ、 料金に入ってるやないか!

・・・となる場合が多い。

よって 固辞するのが正解。
式前の見積もり段階では、
悲しみや不安など、 ある種パニックに似た状況下なので
説明されたことが 言葉通りに入っていないことも多い。



ただし、 ある年代・ある種の方々の中には
「先に何か渡しとかないと モノを頼みにくい」 と
思っている人がいるのも事実。
特に女性に多いのだな
こういうタイプは 頑なに断ると
溝ができてしまうことも多く、 かえってめんどうなので
担当者に振るのが無難。


葬儀社や担当者にもよるけれど、
『前受金』として計上されているようだ。
たまに 「もらっとき」 もある
N区の会館ではおなじみの浄土真宗のお寺さん。
旅行とお酒と人と話すのがお好きなジェントルマン。



いつも、 とても穏やかに雑談をなさる。
すみません、 ゆっくりお話したいのですが今は・・・と
忙しい時には辞退するのだが、
あぁ ごめんなさいね、 と にこやかに応えて下さる。

ご子息が私より少し若い年代。
連休やイベント事が近付くと
彼氏と楽しく過ごして下さいね、 のようなことを
息子の友達にでも言うように いつもおっしゃる。

ここでポイントなのは、
私のプライベートなことを一切確認せず、
大人というより 既にオバ域に入っている私に対しても
女の『子』扱いをなさるところ。
これ、 孫がいる年齢の方にも意外にポイント高いのですよ。


先日も
イブはもう予定をたてましたか、 と聞かれた。


仕事になるかもしれないので、 と答えてから
お寺ではどうお過ごしなのか尋ねてみた。


うちは寺ですから、 と先生は静かに微笑まれた。

そして
「でも可能な限り、 妻と食事に行くんですよ」 と付け加えられた。


「やっぱりね、 イブにワインを楽しむようなディナーに行くと
妻が喜ぶんですよ」



あぁ やっぱりこの方、 素敵。
世のおとーさんたちは 見習ってほしい。

檀家さんが多いのも納得。
私も こんなお寺さんが菩提寺なら、
お会いするのが楽しみになるだろうなあ。
告別式のおよそ1時間前から、
会葬の方々が三々五々と式場にお越しになる。

受付が 親族・一般に分かれている場合、
来られた方に声をかけ、
該当の受付台に誘導する。

特に決まりがあるわけではないけれど
まず
「ご親族さまですか?」 と 親族を優先するような慣例。


「仏さまのいとこの子どもですねん」
「ワカヤマの兄嫁の弟ですわ」
「義理のなんとかの なんとかで」

事細かにに説明して下さる方が多い・・・彼らはみんな親族さま。


「もう兄弟同然に育ってきた幼馴染でね」
「おばさんには 子どものように可愛がってもらってなんとかかんとか」

彼らは一般。
受付でも記帳しながら 同じ話を繰り返す人が多い。
後で 喪主さまや親族にも 再度同じ話を(以下略)。

疑わしき場合は 親族側にあずけて
親族さまの判断にゆだねるのが無難。



そんな中
「いえ・・・まぁ・・・あの・・・」 と
目を伏せながら 言葉を濁す方がいらっしゃる。
告別式には 政治家が会葬に来られることも多い。
市会議員、 府・県会議員、 国会議員、
現役もいれば 『元』という肩書で来られる方、
本人の場合もあれば 秘書や嫁が来られる場合もある。


彼らは一様に
代表焼香として名前を読み上げられ、
焼香が終わったら さっさと帰ってしまう。

それなのに 読み上げの順番や読み間違いには敏感。

葬儀に地元の有力者が参列するとハクがつく、
という町会さんなどの思い込みと
センセイたちの
地元の人に顔を売る絶好の機会というマッチング。


個人的には
政治家は政策のみを評価するので
こういう
就職活動のような会葬は軽蔑している。
個人的に交流があって
自らがお別れをしたいと思うのならば、
それ相応の会葬の仕方があるはず。


ーーーーー


最近は葬儀の規模が小さい傾向が顕著なので
見る頻度は減ったけれど・・・

記帳もせず、

席が空いているにもかかわらず
座りもせず

焼香のあと 供養品も受け取らない人がいる。

二人組が多い。



彼らが何者なのか 確認したことはない。
なので明言はしない。


彼らはいわば 『招かれざる客』で
葬儀が落ち着いた後、
おそらく喪主さまに接触するだろう。
ひとくちに親族、 といってもいろいろな人がいる。
直系や兄弟、
親等という線でつながっているとわかりやすいのだが
離婚に伴う関係がある場合、
雰囲気が 少々緊張してしまう。


宗派は真言宗、 おねえさんはMさん。
H区ホールにて。

コミックエッセイ
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 お葬式の内緒ばなし】
画・構成:木月けいこ
原案:にわ晃子
出版社:新書館
税込840円
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プロフィール
HN:
にわ晃子(acco)
性別:
非公開
職業:
献茶婦
自己紹介:
阪神間で動き回っています。
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